外壁塗装ってたくさん種類があってよくわからない…。
タイル貼りなど、塗り替え不要な外壁もありますが、サイディング外壁の場合は必ず定期的な塗り替えが必要になります。
この記事では、外壁塗装の種類や特徴について解説していきます。
外壁塗装の基本
外壁塗装は「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りが基本です。
下塗りは塗料の付着性を高める役割があり、「シーラー」、「プライマー」、「フィラー」という材料があります。
「中塗りや上塗り」は外壁を保護する役目があり、下塗りの後に同じ塗料を2回塗ります。
「アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素」等の塗料を塗ります。
この「中塗り・上塗り」に使用する塗料で耐久性や価格に差がでます。
塗料種類の概要
外壁塗装で使われる代表的な塗料は以下になります。
・アクリル
・ウレタン
・シリコン
・ピュアアクリル
・フッ素
・無機
アクリル→ウレタン→シリコン→ピュアアクリル→フッ素→無機 という順番で耐久年数が長くなり、価格も上がります。
メリット | デメリット | |
アクリル系塗料 | ・種類が多い。 ・弾性がある。 ・高級感のある仕上がりになる。 ・比較的安い | ・耐久性が低い ・紫外線の影響を受けやすい |
ウレタン塗装 | ・種類が多い。 ・弾性がある。 ・高級感のある仕上がりになる。 ・比較的安い | ・耐久性が低い ・紫外線の影響を受けやすい |
シリコン塗料 | ・光沢を保持しやすい ・耐熱性、耐水性、透湿性、防汚性に優れている。 | ・フッ素塗料よりは耐用年数が劣る。 ・やや弾性が低く、ひび割れしやすい |
ピュアアクリル | ・フッ素並みに耐久性が高い ・弾性が高い(ひび割れしにくい) | ・弾性塗料なので汚れやすい ・価格が高い ・外壁にふくれが生じる可能性がある |
フッ素樹脂塗料 | ・耐久性、耐候性が高い ・親水性が高い ・光沢が長持ちする ・酸性雨に強い。 ・藻やカビが付きにくい | ・高い ・弾力性がない |
無機塗料 | ・耐久性、対候性が高い ・親水性が高い(雨水で汚れを洗い落としてくれる) ・不燃性があり、火事に強い | ・ひび割れしやすい ・高い ・施工に技術がいる |
それでは順番に特徴をみていきます。
アクリル系塗料
耐用年数は約5年です。
アクリル塗料とは、アクリル樹脂を主成分とする塗料のことをいいます。
ボールペンや電子部品にも使用されています。
メリットは以下になります。
・商品の種類が豊富
・扱いやすいのでミスが起きにくい
・安い
デメリットは以下になります。
・紫外線に弱い
・ひび割れしやすい
・耐久性が低い
「とりあえず初期投資を抑えたい」「将来ずっと住むかわからない」
という場合は選択に入れてもよいかもしれません。
ウレタン塗装
ポリウレタンを主成分としたウレタン塗料を使う塗装工事です。
ポリウレタンは衣服や断熱材など幅広く使われています。
耐用年数は5~10年です。
メリットは以下になります。
・種類が多い。
・弾性がある。
・高級感のある仕上がりになる。
・比較的安い
種類が多く、使いたいカラーが比較的見つかりやすいです。
また、防カビ性能を高めた塗料なども選択ができます。
ゴムのように伸びる性質があるので、経年劣化でひび割れが生じにくいです。
光沢が出て、高級感のある仕上がりにしやすい所も魅力ポイントになります。
ウレタンは、高級家具の仕上げにも使用される塗料でもあり、アクリル塗料の次に安い所もよいです。
デメリットは以下になります。
・耐久性が低い
・紫外線の影響を受けやすい
5〜10年ごとに塗り替えが必要になります。
また、紫外線の影響を受けやすく、黄色く変色する可能性があります。
シリコン塗料と同様に光沢が強いので、艶のある仕上がりになりやすいです。
シリコンと迷いそうですが、比較対象として見積りを出してもらいたい塗料です。
シリコン塗料
耐用年数10〜15年
耐用年数と価格のバランスがよく、採用されてきた歴史も長く、今も外壁塗装で一番多く採用されている塗料です。
メリットは以下になります。
・光沢を保持しやすい
・耐熱性、耐水性、透湿性、防汚性に優れている。
デメリットは以下になります。
・フッ素塗料よりは耐用年数が劣る。
・やや弾性が低く、ひび割れしやすい
光沢がよく似合う外壁にはおすすめです。ひび割れが起きやすい塗料に分類されるので、外壁が伸縮しやすい素材なのか、振動の多い立地か等確認が必要です。
シリコン塗料の注意点
シリコンの含有率を確認した方がよいです。
低いもので20%ほど、高いもので50%ほどになります。
使用する塗料の含有率を聞いてから施工してもらった方が安心です。
ピュアアクリル
ピュアアクリルは通常のアクリル塗料に含まれる不純物をできるだけ取り除いた塗料です。
耐久性は約15年と言われています。
メリットは以下になります。
・フッ素並みに耐久性が高い
・弾性が高い(ひび割れしにくい)
デメリットは以下になります。
・弾性塗料なので汚れやすい
・価格が高い
・外壁にふくれが生じる可能性がある
ゴムのように粘着性があるので、汚れをくっつけやすいという特徴があります。
弾性が高いため、水分が塗膜に入ったときに外壁にふくれが生じる可能性があります。
デメリットは気になりますが、耐用年数15年というのは魅力的です。
フッ素樹脂塗料
蛍石を原料としたフッ素樹脂を配合した塗料をフッ素塗料といいます。
大型建造物や航空機などにも使われます。
耐用年数は約15年です。
メリットはは以下になります。
・耐久性、耐候性が高い
・親水性が高い
・光沢が長持ちする
・酸性雨に強い。
・藻やカビが付きにくい
デメリットは以下になります。
・高い
・弾力性がない
シリコン塗料と同様に弾力性が低いので、ひび割れを起こすことがあります。
特にモルタル外壁に塗装する場合は注意が必要で、弾性の高いタイプを選択するようにした方がよいです。
近くに森が多かったり、外壁が汚れやすい環境の場合は検討したい塗料です。
ひび割れが起きやすいというのは心配なので、施工業者に対策についてしっかり確認したいものです。
無機塗料
無機塗料は鉱物、レンガなどの無機物を配合した塗料です。
シリコンやフッ素塗料に無機質な材料を混ぜて劣化しにくくしています。
耐用年数は20年ほどで、塗料界のキングといえます。
メリットは以下になります。
・耐久性、対候性が高い
・親水性が高い(雨水で汚れを洗い落としてくれる)
・不燃性があり、火事に強い
デメリットは以下になります。
・ひび割れしやすい
・高い
・施工に技術がいる
耐久性はピカイチかと思うので、信頼できる職人さんに塗装を依頼したいものです。
無機塗料の注意点
すべて無機物ではなく、有機塗料と混ぜて使用するので、割合等を業者に確認する必要があります。
外壁塗装する際の注意点
・屋根塗装と同時に行う
・真冬や梅雨時期はできるだけ避ける
屋根の塗装と時期を合わせた方が足場代が一度ですむのでお得になります。
また、外壁塗装の一般的な推奨作業環境は「気温5℃以上、湿度80%以下」です。
「どの季節が最適!」ということはありませんが、できれば真冬や梅雨時期等は避けた方がよいかと思います。
まとめ
外壁塗装は「中塗り・外塗り」に使用する塗料で耐久性や金額に違いが出ます。
アクリル→ウレタン→シリコン→ピュアアクリル→フッ素→無機 という順番で耐久年数が長くなり、価格も上がります。
それにしても、耐用年数トップの無機塗料で約20年なので、新築時の30年塗り替え不要というハウスメーカーのサイディング外壁はどんな塗料を使用しているか気になります。
必ずしもグレードが高ければよいわけではなく、フッ素や無機塗料はひび割れしやすかったり、施工に技術が必要というデメリットもあります。
価格と耐用年数を比較し、信頼できる業者に依頼しくださいませ!
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