住友林業と積水ハウス、どちらも良さそうだけどどんな違いがあるのかな?
と思う人は多いかと思います。
どちらも高価格帯、高性能、高い設計力、高いデザイン性、という印象ですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では以下の内容について解説します。
・住友林業(ビッグフレーム)と積水ハウス(シャーウッド)の性能面の違い
・住友林業(ビッグフレーム)と積水ハウス(シャーウッド)のそれぞれの強み
それでは順番に見ていきます。
※以下、住友林業と積水ハウスの公式HPやカタログの画像を参考に掲載します。
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外壁
住友林業は以下の3つの外壁から選択ができます。
吹付け仕上げは自然素材(サンゴ、貝殻、天然石など)を使用します。
住友林業らしい外観になりとても素敵です。
実例を見ていると、吹付けをベースにし、アクセントにタイルを使用している外観が多い印象です。
積水ハウスは以下の3つの外壁から選択ができます。
積水ハウス(シャーウッド)といえばベルバーンの印象が強いです。
↓ベルバーンについては以下の記事を参考にしてください。
ベルバーンがとてもかっこいいですが、実例を見ると吹付けのシームレスドライウォールもとても素敵な印象です。
メンテナンスを重視するなら積水ハウスのベルバーンが一歩リードという感じです。
住友林業も総タイルにすれば同じかもしれませんが、吹付け仕上げの外観を気に入る人が多い印象です。
内装に使う木材へのこだわり
後述しますが、構造体に使う木材へのこだわりに関しては、積水ハウスが一歩リードした印象があります。
一方で内装に使う木材へのこだわりは住友林業の方が強く感じました。
無垢フローリングを標準としており、住友林業のネットワークにより扱える樹種も非常に多いとのことです。
ジャパニーズオーク、ウォルナット、マホガニー、チーク、チェリー、メイプル、オークなど、カタログや実例を見るだけでかなりテンションが上がります。
ただ、積水ハウスの実例を見る限り、まったく負けてないように感じます。
無垢材を住友林業ほど押している印象はありませんが、天井にも無垢材を貼ったり、自由度はまったく問題なさそうに感じます。
設計力、デザイン性
設計力、デザイン性はどちらも非常にレベルが高いかと思います。
どちらも「木造ならではの高い自由度があり、優秀な設計士がいる」という印象です。
予算さえ合えばどちらでも満足度の高いお住まいになる可能性が高いです。
カタログ上で強調されている、住友林業の設計力の強みポイントは以下になります。
・ミリ単位の設計が可能
・最大7.1mのワイドな開口、最高2.8mの天井高を実現できる
・コーナー開口や連続サッシが可能
・フルフラットバルコニーが可能
・1.8mの張り出し「キャンティレバー」
・最大7.1mのビルトインガレージが可能
狭小地や変形敷地ではミリ単位の設計が特に活かされます。
最大7.1mのインナーガレージに関しては、かなり特殊な要望の場合に限られるかと思います。
住友林業のミリ単位の設計、コーナー開口、連続サッシ、フルフラットバルコニーあたりは実邸で要望がありそうなので、高印象です。
ただ積水ハウスでもできそうな内容ではあるので、差別化にはならないかもしれません。
カタログ上で強調されている、積水ハウスの設計力の強みポイントは以下になります。
・クリアビューデザイン
・吹き抜けの自由度の高さ
・2m床オーバーハング
・最大6m幅のビルトインガレージ
・3方向開口も可能
・大スパン格子床梁(最大6m×10mの柱なし空間)
2mのオーバーハングや3方向の窓はかなり特殊な要望の場合に限られるかと思います。
積水ハウスのクリアビューデザイン、吹き抜けの自由度の高さはご要望として多そうなので、好印象です。
クリアビューデザインは、室内外の床、デッキ、軒天、天井の高さを揃え、フルフラットのサッシを配置することで、開放感や室内外の一体感を演出します。
吹き抜けの自由度も高く、床の強度を上げることで、最大5m×7mの吹き抜けをとることが可能です。
「大スパン格子床梁」は梁を1mの格子状にすることで最大6m×10mの柱なしの大空間を実現できます。
60㎡というと36.3帖です。
梁をあらわすかどうかはお好みによりそうです。
詳細は確認が必要ですが、どちらのメーカーも自由度が非常に高いので、ほとんどお互いに実現できそうな空間に感じます。
大空間や吹き抜けをとったときに、耐震性を落とさずに理想の柱位置、窓位置をとれるかという点で多少は差がでるかもしれません。
また、積水ハウスはメーターモジュールを採用しています。
現代人の体格や、車椅子での生活を考えたときにはメーターモジュールの方がおすすめです。
耐震性
耐震性に関してはどちらも非常にハイレベルな戦いかと思います。
住友林業の耐震性に関するポイントは以下になります。
・一般的な柱5本分以上の太さの強靭なビッグコラム
・構造躯体を強固に一体化するメタルタッチ接合
・3階建てで耐震実験を実施
住友林業は560mmのビッグコラムを使ったビッグフレーム構法で高い耐震性を実現しております。
高層ビルに使われるラーメン構造を木造住宅において日本で初めて実現したのが、住友林業独自のビッグフレーム構法です。
柱、梁、基礎はメタルタッチ接合で強固に一体化されます。
使用されているボルト径が30.5mmととても太く、安心感があります。
2011年に3階建ての実物大モデルで耐震実験を行い、22回におよぶ震度7クラスの加振をクリアしております。
積水ハウスの耐震性に関するポイントは以下になります。
・構造用金物の防錆処理に「カチオン電着塗装」を採用
・柱と基礎を直接緊結する「基礎ダイレクトジョイント」
・基礎が一体打ち
・耐震実験は2階建てで実施
・木材の品質管理のレベルが非常に高い
・型式適合認定を取得
「カチオン電着塗装」は、鉄骨メーカーでもある積水ハウスだからこそのこだわりです。
車のボディに使用される塗装で、均一でムラのない塗膜を形成し、鋼材の性能を長期間維持できます。
「基礎ダイレクトジョイント」もとても魅力的です。
柱と基礎が直接つながっている方が地震の力をよりスムーズに地中へ逃がせます。
ただし、基礎の精度が高くないと実現できない構法なので、他のメーカーではなかなか真似
ができない構法かと思います。
また、基礎の立ち上がりとベースの一体でつくる「一体打ち構法」を採用しております。
二度打ちをするより基礎全体の強度が大きく向上します。
積水ハウスでは耐震実験を2004年に行っております。
・2階建てでの実験
・震度7相当の繰り返しの揺れでも建物、室内に大きな損傷はなし
耐震実験の内容は住友林業の方が充実しているように感じました。
積水ハウスの木材の品質管理は、非常に強いこだわりを感じます。
集成材を作る際に、ラミナ(挽き板)の強度を測定し、部位に適したラミナを選定します。
例えば柱には同じ強度のラミナを使い、梁の場合は外側に強いラミナを使用する、などです。
また、含水率が15%以下になるよう乾燥させ、集成材が作られます。
積水ハウスは型式適合認定を取得しており、「構造、省エネ、防火」などの性能を国によって認められた基準を満たしているということになります。
「仕様規定」、「性能規定」の上位に位置する規定で、取得するには高い技術力と労力が
必要になります。
構造体に使用する木材の品質や基礎へのこだわりは積水ハウスが一枚上手な印象です。
耐震実験の実績に関しては住友林業の方が安心感があります。
耐火性能
住友林業の家は省令準耐火構造に対応しております。
省令準耐火構造は、火災保険における構造級別区分が鉄骨造と同等の区分に該当するため、火災保険料が安くなります。
一般の木造住宅と比較すると半額くらいになる可能性があります。
また、「準耐火仕様」や「耐火仕様」にもできるので、「準防火地域」や「防火地域」でも住友林業の家を建築することができます。
街中ですと準防火地域のエリアは比較的多いです。
建築地が「防火地域」の場合、建築できるメーカーはかなり絞られるかと思います。
積水ハウスではすべての外壁で防火構造認定を受けておりますが、省令準耐火構造に対応しているか不明でした。
外壁が840°Cの熱にさらされても、外壁の裏面温度は100°C以下となり、木材の着火温度を下回るので安心かと思います。
積水ハウスも省令準耐火構造に対応しているか確認ができればよいです。
断熱性
住友林業の家は、住宅性能表示制度の断熱等性能等級「最高等級4」を上回る高い断熱性能を実現します。
省エネルギー基準の4~7地域では、以下の仕様となります。
・UA値 0.41W/㎡K
・天井 グラスウール(高性能品)24K 105mm×2
・外壁 グラスウール(高性能品)24K 105mm
・床下 押出法 ポリスチレンフォーム3種 100mm
・窓 Low-E複層ガラス(アルゴンガス入り)
・アルミ樹脂複合サッシ
積水ハウスも住宅性能表示等級が最高等級4となります。
積水ハウスの4~7地域の断熱仕様は以下になります。
・UA値不明
・外壁 繊維系断熱材100mm
・床 ポリスチレンフォーム80mm
・天井 繊維系断熱材 100mm×2
・窓 Low-Eコーティングガラス(アルゴンガス入り)
・アルミ樹脂複合サッシ
仕様を見る限りでは、どちらも近い性能のように感じます。
一条工務店ほど飛び抜けてはいないけど、高い断熱性能があるという印象です。
積水ハウスの繊維系断熱材と住友林業グラスウール24Kのどちらが性能が高いか聞いてみたいところです。
遮音性能
住友林業の家は、上下階の音の伝わりをカットするために以下の工夫をしております。
・三層床構造(木質フロア12mm、硬質石こうボード12.5mm、剛床パネル24mm)
・吸音材 グラスウール50mm
・吊り天井 (防振吊木を使うことにより、下階への音を低減します)
二世帯住宅など、より上下階の遮音性にこだわる場合は、業界トップレベルの「遮音60仕様」も選択できます。
積水ハウスの上下階の遮音性対策は以下になります。
・床、構造用合板24mm厚
・吸音材55mm厚
・木根太
衝撃遮音レベルはL-70~75になります。
アスロックやダイナミックダンパーを使用した「衝撃遮音レベルはL-55」仕様の選択
もできます。
標準仕様で比較すると若干住友林業の方が遮音性が高そうに感じます。
メンテナンス性
住友林業では、使用する部材によって「LS30」と「LS60」というオリジナル高対候仕様が選択できます。
・LS30 30年の耐久性部材を使用
・LS60 60年の耐久性部材を使用
LS30の部材は以下になります。
・コロニアルグラッサ(スレート瓦)
・吹付仕上げ外壁
・サイディング仕上げ外壁
LS60の部材は以下になります。
・陶器瓦屋根+LSルーフィング
・タイル外壁
積水ハウスの外壁はベルバーンの場合塗り替え不要ですが、目地の交換は約30年で必要になります。
サイディング外壁のメンテナンスサイクルは30年です。
屋根に関してはカタログ上に記載がありませんでした。
個人的には住友林業の場合、 陶器瓦屋根+LSルーフィングを選択したいと思いましたが、実例では「コロニアルグラッサ」が多い印象です。
デザイン面等なにか理由があるかもしれません。
防蟻処理
住友林業ではメンテナンスが容易な「タームガードシステム」を採用しております。
新築時にあらかじめ薬剤処理用のパイプを土壌埋設しているので、メンテナンス工事がしやすくなります。
その分メンテナンス費用も抑えられるかと思います。
約10年ごとに防蟻処理が必要になります。
積水ハウスは1階外壁下地の構造用合板には防腐、防蟻処理済みのものを採用します。
基礎天端から高さ1mまで防腐、防蟻処理がされます。
また、1階床下の大引と束は、亜鉛メッキを施した高耐久な鋼製なので、シロアリ対策として安心です。
住友林業のようなパイプ埋設は行っていなさそうです。
住友林業のパイプ埋設方式の方が、将来のメンテナンス等を考えるとポイントが高いです。
保証、点検、メンテナンス
住友林業では、構造躯体と防水の初期保証が30年です。
定期点検、メンテナンスを実施することで、最大60年の長期保証を受けられます。
30年目以降は10年ごとの保証延長となります。
おおよそ30年目と60年目にメンテナンスが必要となります。
点検は60年目まで無料でやってもらえるので、ポイントが高いです。
積水ハウスはなんと永年保証です。
構造躯体と防水に関して、メンテナンスや点検を続けていく限り、保証も続きます。
初期保証は住友林業と同様の30年です。
点検は30年間は無料となりますが、30年以降は有料となります。
個人的には積水ハウスの永年保証より住友林業の60年無料点検の方が魅力に感じます。
効率よく建築会社の情報を集める方法
ここで、効率よく建築会社の情報を収集する方法を紹介します。
以下の3パターンに分けて紹介します。
・とりあえずカタログ請求したい人
・間取りや見積もりをまとめて比較したい人
・中立的なアドバイザーに相談したい人
とりあえずカタログ請求したい人
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※「カタログのみ請求したい」という人は、『電話や訪問は無しでお願いします』と記載しておくとよいです。
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LIFULL HOME’S 住まいの窓口まとめ
今回の記事をまとめると以下になります。
「ベルバーン、吹付け外壁、無垢フローリング、外観・間取りの提案、金額」あたりが選択のポイントになるかと思います。
どちらも非常に高性能で、魅力的なデザインが実現できるハウスメーカーです。
是非一度展示場等でご体感くださいませ。
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