全館空調って快適そうだけど光熱費とか大丈夫かな?
全館空調を希望する人は年々増えてきております。
全館空調といえば、桧家の「Z空調」、パナソニックホームズの「エアロハス」、トヨタホームの「スマートエアーズ」、セキスイハイムの「快適エアリー」等、多くのメーカーが提供しております。
当然メリット、デメリットがありますので、どのようなライフスタイルに合うか、導入する際に確認しておきたい項目について解説致します。
この記事を読んでいただくと、以下のことがわかります。
・全館空調を搭載するメリット
・ 全館空調を搭載するデメリット
・全館空調がおすすめな場合
・全館空調がおすすめでない場合
・全館空調を導入する際に確認するポイント
それでは順番に見ていきます。
全館空調を搭載するメリット
まずは全館空調を導入するメリットについてです。
家中どこでも快適
廊下や玄関がムワっとしないのはいいですね。
ホールにデスクを置いたりギャラリーを設けるような場合は最適です。
健康寿命が伸びる
急激な温度差がなく、活動的にもなるので、健康寿命が伸びるとも言われております。
床付近の温度が低い家に住んでいる人の方が、高血圧や糖尿病等のリスクが高まるというデータがあります。
ヒートショックのリスクを減らせる
お風呂上がりの急激な温度変化による心臓等への負担を軽減できます。
ヒートショックによる死亡者数は交通事故より多いと言われますので、ご高齢の方には強くおすすめしたい設備です。
子育てがしやすい
快適な空間でお風呂に入れたり着替えさせたりできます。
子育てのストレスが減ります。
吹き抜け、大空間、リビング階段の間取りでも空調が効く
ダイナミックな間取りも遠慮なく実現できるのはよいです。
最近はスケルトン階段、仕切りのない空間、クロスフロア等のご要望が多いので、空調の効きに関して心配がいらない全館空調がおすすめです。
廊下などのドアを空けっぱなしで生活できる
お子様やペットがいるご家庭ですとドアが空けっぱなしになってしまうことがあります。
エアコンの効きを気にしなくてもよいので、常に開け放して生活ができます。
お子様も走り回れます。
ペットも暮らしやすい
夏の暑い時期はペットを家に残すと心配です。
全館空調であれば他の部屋へ移動してしまっても安心です。
気兼ねなく外出できます。
全館空調を搭載するデメリット
メリットはたくさんありますが、デメリットについてもお伝えします。
メンテナンス費用がまとめてかかる
エアコンと違って一度に大きなメンテナンス費用がかかってしまうのがこわいポイントです。
覚悟して貯金をしておくとよいですが、15年くらい経って50万~100万円の交換費用がドンとくるのは少しこわいです。
トヨタホームのスマートエアーズの場合、30年間でファンモーターの交換、本体の交換で87万円かかる計算となっております。
当然エアコンも交換費用はかかりますが、子供部屋はギリギリまでつけず、型落ち品など上手に選んでいけば、費用は抑えることができます。
光熱費が心配
24時間、廊下も含めた全館稼働するので、エアコンと比較すると基本的に光熱費は上がります。
しかし、従来の全館空調と比べ、性能も上がっておりますし、家の断熱性も上がっているので、びっくりするほどの光熱費にならないケースが多いです。
光熱費が跳ね上がりすぎると口コミ等でなかなか普及しないと思いますので、比較的満足度は高いように感じます。
セキスイハイムの快適エアリーの場合、年間約78,000円です。
あくまでカタログ値ですが、安心できる金額かと思います。
桧家のZ空調は年間56,647円とのことですので、さらに安心の金額です。
あくまでシミュレーションなので、実際に住まれている方の声をきくと間違いないかと思います。
営業担当に「オーナー様に話を聞いてみたい」と頼んでみましょう。
乾燥しやすい
冬場は特に乾燥しやすいので、寝ているときに喉を痛めてしまう可能性もあります。
加湿機能付きの全館空調もありますが、初期費用のアップと故障の心配があります。
個人的にはポータブルの加湿器を設置して調整することをおすすめします。
逆に梅雨の時期は乾燥すると、室内干しも多少乾きやすくなり、メリットがあるといえます。
全館空調がおすすめな場合
全館空調をおすすめする家族構成やお住まいのスタイルは以下になります。
ご年配のご夫婦(例:平屋20坪、1LDK)
無駄にエアコンをかける部屋がないので、もったいなくないです。
また、床面積が小さめですと、全館空調の初期費用やメンテナンスコストを抑えられる可能性が高いです。
子育て時期のご家庭
家にいる時間が長いほど全館空調の恩恵が受けられるので、おすすめです。
また、夏や冬にお子様をお風呂に入れたり、着替えさせたりするときにストレスを感じにくいです。
二世帯家族
家族が多いほど、必要なエアコン台数も増え、全館空調をつけた方がお得になる場合もあります。
また、常に家に誰かいる可能性が高いので、24時間つけっぱなしの全館空調のメリットをより感じられます。
仕切りのない家、吹き抜け、リビング階段、大空間の家
広いLDKや吹き抜けがある間取りですとエアコン1台では効きにくかったり、温度ムラができたりしてしまいます。
スケルトン階段や吹き抜けを実現したい方には全館空調を強くおすすめします。
全館空調がおすすめでない場合
逆に全館空調でなく、ルームエアコンをおすすめする家族構成やライフスタイルもあります。
共働き、家族が家にいる時間が短い場合
全員忙しかったり、アウトドア派のご家族にはあまり向きません。
ただし、最近はコロナの影響でおうち時間が長くなっているので、少し考え方も変わってきているかと思います。
家族間で快適に感じる温度に差がある
ケンカになるのでおすすめしません。部屋ごとに温度調整ができればよいです。
個別にエアコンをつけたり、扇風機等で対応ということも可能です。
1階のみ全館空調を導入するという選択
トヨタホームのスマートエアーズのように、1階と2階の切り分けができる全館空調もあります。
この場合、1階のみ全館空調という選択もできます。
例えばお子様が0歳のときに新築をしたとすると、本格的に子供部屋を使うようになるのは10年以上先になります。
主寝室を使うのは寝るときくらいなので、1階のみ全館空調にして、最初のうちは主寝室にルームエアコンを設置、10年後に子供部屋にルームエアコンを設置する、というパターンもありです。
全館空調を導入する際に確認するべきポイント
全館空調を導入する際は、以下のポイントを確認し、多少のデメリットがあっても快適性を優先したいと思えたら是非導入をおすすめします。
・温度調整はフロア毎か?部屋ごとか?
・ダクトスペースや室内機の位置等が間取りにどのくらい影響しているか?
・実際の光熱費はどのくらいか?
・耐用年数、メンテナンスコスト、保証期間
・お手入れ方法、頻度
・室内機の音
(間取りにもよるので注意が必要です。宿泊体験等あると是非参加した方がよいです。)
まとめ
全館空調は快適なことは間違いがなく、どのメーカーも性能がよくなっているので導入して失敗した、ということはないかと思います。
ただ、ライフスタイルや価値観によってはルームエアコンの方がよい場合がありますので、慎重に検討が必要です。
実際に全館空調で2~3年住んだ人に聞いてみたり、宿泊体験をして納得した上で導入するかどうか決めましょう。
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