セキスイハイムとトヨタホームって同じユニット住宅で何が違うの?
どちらも鉄骨のラーメン構造と工場生産を売りにしているハウスメーカーなので、違いがわかりにくい、という人も多いかと思います。
ユニット工法を気に入って2社を同時検討するケースも少なくありません。
この記事では、セキスイハイムとトヨタホームの違いの中でも、個人的に強調したいポイントについて比較、解説します。
※セキスイハイムとトヨタホームのHPの写真を参考に掲載しております。
セキスイハイムとトヨタホームの比較表
2社でよく比較される部分をピックアップしてみました。
セキスイハイム | トヨタホーム | |
タイルの価格 | 〇 | △ |
タイルの貼り方 | △ | 〇 |
ベタ基礎 | メリットデメリット有 | メリットデメリット有 |
屋根 | フラット屋根は〇 | 勾配屋根は〇 |
全館空調 | 〇 | 意匠性〇 |
太陽光、蓄電池 | 大容量〇 | 普通 |
それでは順番に見ていきます。
タイル外壁
タイルの価格
全面タイル貼りにするにはセキスイハイムの方が優位かと思います。
2社のスタンスを見ると、セキスイハイムの方がタイルの採用率が高く、全国的に棟数も多いので、タイルを安く仕入れしやすい可能性があります。
トヨタホームもタイルの採用をしておりますが、セキスイハイムほどは採用率が高くありません。
しかし、トヨタホームは「バリュースペック」という全面タイル貼りの新商品をリリースしているので、仕入れが増えて今後の価格に影響がでてくる可能性もあります。
個人的にはタイル貼りに魅力を感じますが、サイディングのメンテナンス周期も長くなっているので、「予算上余裕があればタイル貼りを選択に入れる」くらいでも問題ないかと思います。
価格に関してはあくまで予測なので、2社ともタイルを含めた見積りでトータル金額を比較をしてみることがおすすめです。
タイルの貼り方
大事なポイントとして、タイルの貼り方に関しては、2社で違いがあります。
・セキスイハイムの場合、工場でタイルを貼りつけた状態で現地に運びます。
・トヨタホームの場合は、工場ではタイルを貼らず、現地でユニットを組んでからタイルを貼りつけていきます。
セキスイハイムの貼り方の場合は施工品質の確保と、工期の短縮という面でメリットがあります。
トヨタホームの貼り方の場合は、ユニット同士の目地の上からタイルを貼るので、目地のメンテナンス面でメリットがあります。
個人的には職人さんの腕が良ければ、トヨタホームのように、現地でタイルを貼ってほしいと思います。
ベタ基礎
セキスイハイムはベタ基礎を採用し、トヨタホームは布基礎を採用しています。
セキスイハイムは鉄骨メーカーでベタ基礎を採用している唯一の会社です。
鉄筋が張り巡らせられている分、費用がかかっており、基礎としての強度は高いと思います。
「セキスイハイム以外の鉄骨メーカーはベタ基礎を採用していない」という点は少し気になるところですが、強度は上がるしあまりデメリットは感じません。
また、セキスイハイムのベタ基礎は、基礎断熱を標準仕様としています。
トヨタホームでも基礎断熱を選択できるようですが、実績で考えると、セキスイハイムの方が得意としているのではないかと思います。
トヨタホームに関わらず、布基礎の場合は湿気対策として、防湿コンクリートを採用した方がよいです。
防湿シートでは地面から湿気が上がりやすくなるので、できれば避けたいです。
屋根
セキスイハイムは勾配屋根の場合は陶器瓦、フラット屋根の場合はステンレス屋根を採用しています。
トヨタホームは勾配屋根の場合は陶器瓦となり、フラット屋根の場合は防水シートとなります。
セキスイハイムのステンレス屋根とトヨタホームの陶器瓦は塗り替えなどのメンテナンスは基本的に不要です。
トヨタホームのフラット屋根の防水シートは、紫外線で劣化するので、定期的にメンテナンスが必要です。
太陽光パネルが載っていると一度はずす必要もあるので、結構な費用がかかるかと思います。
あくまで噂ですが、セキスイハイムは勾配屋根の場合、フラット屋根より単価が上がる可能性があります。
提案や実例もフラット屋根が多いので、何らかの裏事情はあるかと思います。
トヨタホームは勾配屋根を苦手としている印象はありません。
積水ハウスなどが得意としている柱なしのキャンチ屋根も対応しており、ある程度自由がききそうです。
全館空調
セキスイハイムは「快適エアリー」、トヨタホームは「スマートエアーズ」という全館空調を提供しており、どちらも採用率が高いかと思います。
そもそもの話ですが、ライフスタイルによっては全館空調のメリットが大きくない可能性もありますので、慎重な検討が必要です。
もともとセキスイハイムは床下も空調し、温めるシステムなので、床の温かさにはセキスイハイムの方が力を入れている印象ですが、トヨタホームも「スマートエアーズプラス」という床下も冷暖房するシステムを出しているので、差別化が難しくなってきました。
よく指摘されるガラリの数に関しては、トヨタホームの方が少なくできます。
セキスイハイム の口コミによると、「ガラリがLDKで9個ほどあって間取りの検討に困る」という声もあります。
トヨタホームでも、スマートエアーズプラスの場合はガラリが増える可能性があるので、要確認です。
平家にして小屋裏空間に室内機を入れる場合は天井にガラリがつくので、意匠性は高くなるかと思います。
しかし、平家の場合でもロフトや吹き抜けが多いと床下吹き出しになる可能性があるので、注意が必要です。
どちらのメーカーにしても、ガラリの位置や室内機の位置をよく確認して導入を決めた方がよいです。
太陽光、蓄電池
セキスイハイム は太陽光の搭載量にこだわって商品開発を進めてきたので、たくさん載せやすい屋根形状や、庇を延長する仕様を提供できます。
同じくらいの坪数であれば、搭載できる量に差が出る可能性が高いです。
また、セキスイハイム は太陽光、蓄電池の提案に力を入れているので、仕入れや価格設定を工夫して比較的安く提供できる仕組みを整えているかと思います。
一条工務店と似ている戦略です。
蓄電池の採用率も72%(2021年度)ということで、かなり力を入れていることがわかります。
災害や停電対策、電気代の高騰を考えると、セキスイハイムの強い魅力ポイントになっているかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
決定的な決め手には欠けますが、重視したいポイントによって2社の強みをピックアップして検討すると分かりやすくなります。
・大容量太陽光、蓄電池を導入したい→セキスイハイム
・勾配屋根が好き→トヨタホーム
といった感じです。
これ以外にも、トータル金額や間取りの自由度などについて、しっかり検討できるとよいかと思います。
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