避難施設等の重要ポイントを解説します。まずは避難に関する規定の全体像を把握し、廊下・階段・排煙装置・非常用照明・進入口の設置基準を確認していきましょう。
廊下の幅(令第119条)
■ 基本ルール
用途や配置によって必要な幅が異なります。
■ 主要な基準値(中廊下 / 片廊下)
- 小学校・中学校等:2.3m以上 / 1.8m以上
- 病院・共同住宅(床面積100㎡超の階):1.6m以上 / 1.2m以上
- その他の用途(※):1.6m以上 / 1.2m以上(※3室以下・居室の床面積合計200㎡以下等を除く)
■ ポイント
両側に居室がある「中廊下」の方が、避難者が合流するため広い幅が必要となります。
直通階段の設置(令第120条)
■ 基本ルール
居室の各部分から階段までの「歩行距離」に制限があります。
■ 歩行距離の限度(主要構造部が耐火構造等の場合)
- 一般の居室(無窓居室等を除く):50m以下
- 百貨店、物品販売業を営む店舗(法別表第1(い)欄(4)項):30m以下
- 無窓居室:30m以下
■ ポイント
建物の構造や用途によって、避難の難易度が変わるため距離が調整されています。
2以上の直通階段(令第121条)
■ 基本ルール
特定の用途や規模では、1つが使えなくても逃げられるよう「2つ以上の階段」が必要です。
■ 必要な主なケース
- 劇場・映画館・演芸場等の特定の階
- 物品販売業を営む店舗(床面積1,500㎡超)
- キャバレー・ナイトクラブ等(特定の条件)
- 病院・診療所・児童福祉施設等(特定の条件)
- ホテル・共同住宅・寄宿舎等(特定の条件)
- 6階以上の階、または5階以下の階で特定の床面積を超えるもの
■ 注意
準耐火構造や不燃材料の場合、適用される面積が大きくなる(緩くなる)ことがあります。
排煙設備の設置(令第126条の2)
■ 設置が必要な建物・箇所
- 特殊建築物で延べ面積500㎡を超えるもの
- 3階以上かつ延べ面積500㎡を超えるもの
- 無窓居室(排煙上有効な開口が1/50未満の居室)
■ 緩和規定
高さ31m以下の部分で100㎡以内ごとに防煙区画されたものなどは、設置不要となる場合があります。
非常用の照明装置(令第126条の4)
■ 設置が必要な箇所
- 特殊建築物の居室
- 3階以上かつ延べ面積500㎡を超える建築物の居室
- 無窓居室(採光に有効な開口部が1/20未満)
- 上記から地上に通ずる廊下、階段、通路
- 1,000㎡を超える建築物の居室で200㎡を超えるもの
■ 緩和規定
採光上有効に直接外気に開放された通路などは、設置不要となる場合があります。
非常用の進入口(令第126条の6、7)
■ 設置が必要な階
建築物の高さ31m以下の部分にある「3階以上の階」
■ 設置の目的
消防隊が外部から進入して消火・救助活動を行うため。
■ 緩和・不要となるケース
- 直径1m以上の円が内接できる、または幅75cm以上・高さ1.2m以上の窓を設ける場合。
- 非常用エレベーターを設けている場合は、進入口の設置が不要になる。
- 1階と2階は不要。
- 31mを超える部分は不要。
まとめ・検証法による適用除外
■ 検証法の活用
「区画避難安全検証法」、「階避難安全検証法」、「全館避難安全検証法」により安全性が確認されれば、廊下の幅や排煙設備などの規定が適用除外となります。
■ 避難施設等のチェックポイント
- 廊下の幅・直通階段までの歩行距離・2以上の直通階段・排煙設備・非常用照明・非常用進入口
- 法別表1の特殊建築物、無窓居室、高さ、㎡数の確認
- 緩和規定の有無(準耐火構造・防煙区画された場合など)


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