・収納量の多い玄関にしたい。
・家族用と来客用に分かれる2Way玄関にしたい
などなど、玄関のご要望はいろいろありますが、玄関でスペースを使いすぎると他の部屋にしわ寄せが出てしまうので、バランスよく計画したいものです。
過去のオーナー様の事例や、間取りの本を参考に、玄関を設計する際のポイントを解説していきます。
今回の記事では住まいの解剖図鑑を参考に致しました。
専門的すぎず、間取りの考え方についてとてもわかりやすい本なのでおすすめです。
靴箱の置き場所
靴箱をタタキ部分に設置するか、ホール部分に設置するかは迷うポイントです。
タタキに置くとホールが汚れにくいですが、靴を取る際タタキに降りないといけません。
一方でホール部分に靴箱を設置すると、靴を取り出す際にホールに砂が落ちる可能性が高くなります。
玄関スペースに余裕があればタタキとホールの両方に靴箱がまたいだ方がよいです。
私は傘のスペースがほしいので、このあたりを開けて提案することが多いです。
傘は玄関の外でもよいですが、風で飛んだりすると嫌なので、私は家の中に傘立てがほしい派です。
庇とアルコーブ
雨の日に玄関先で濡れないよう、庇が必要です。
傘をさすためには900mmは庇がほしいので、提案されている庇の奥行きの確認が必要です。
庇の幅にも注意です。
ドアの横に600mmほど庇部分があると雨の日に傘をさしやすいです。
基本的に初期提案はお値打ちで小さめなフラット庇を提案しがちなので、要チェックポイントです。
また、玄関部分をへっこます「アルコーブ」と庇を組み合わせる方法もございます。
アルコーブは外観に凹凸がでるので、アクセントとしても有効です。
2Way玄関(家族用玄関、来客用玄関)
2Way玄関にしたいというご要望は多いです。
メイン玄関がいつもすっきりしており、急な来客があっても困らないというメリットはあります。
しかし、人が通るスペースを確保しないとならないので、ベビーカーやアウトドア用品を入れようと思うと、かなりのスペースが必要になります。
同じスペースでも、2Way玄関とそうでない場合で収納量は大きく違いますので、来客があまり多くない場合は通常の形の玄関をおすすめします。
姿見
採用率はあまり高くないように思いますが、姿見は検討に入れたいです。
おしゃれな方は、靴を履いた状態での全体コーディネートを確認してから外出したいかと思います。
天井までの靴収納のドアにつく場合もありますし、壁に姿見をつけてもよいです。
迷う場合は壁に補強だけ入れておいてもよいかもしれません。
玄関電子錠の操作盤
最近はほとんどのメーカーで玄関電子錠が標準になっているかと思います。
電子キーを持っていない場合でも鍵の開け閉めができるように、電子錠の操作盤が玄関ホールについている場合があります。
その操作盤の設置場所に注意です。
私の会社でも、「なぜここに…」という場合がありました。
タタキに降りずに鍵の開け閉めができることがメリットなのに…。
玄関からの距離や制約があるかもしれませんが、せっかくつけるなら、リビングへ入っていく動線上に設置したいものです。
人感センサー
私のお客様で人感センサーの位置が悪く、靴箱が邪魔してしまい、一定の場所まで進まないと感知しないというケースがありました。
これは設計側のミスですが、比較的狭い玄関の場合、センサーライトがしっかり機能するかどうかチェックが必要です。
トイレの位置
玄関付近にトイレを設置すると、来客時にトイレを貸す場合便利です。
トイレが家の奥にあると、あまり見られたくない生活空間も見られてしまうかもしれません。
来客した側も、トイレの場所がわかりやすいので、来客が多い家庭には向く間取りです。
また、外出前にトイレに行くたくなった場合、便利です。
特に小さなお子様は急に「トイレ行きたい」と言い出します。
ただ、玄関で来客と話している場合、家族がトイレを使いにくくなります。
これは大きなデメリットですが、昔ほど近所つき合いがないので、あまり気にしなくてもよいかもしれません。
玄関付近にトイレを配置する場合は、玄関付近からトイレの中が見えないように配置を工夫する必要があります。
特に玄関正面にトイレドアが見えてしまうことはないようにしたいです。
まとめ
玄関は毎日使う場所ですので、不満があると毎日ストレスを感じてしまいます。
わが家は靴箱がタタキ側にあるので、靴を取り出す際少しストレスです。
トイレは玄関近くですが、玄関からは見えない位置にあるので、問題ありません。
外出前にトイレは行けるので、よい配置だと感じております。
2Way玄関は憧れますが、優先順位を考えて慎重に検討したいものです。
靴は出しっぱなしか、毎回靴箱にしまうのか、来客が多いのか、アウトドア用品が多いのか、
それぞれのご家庭のライフスタイルに合った、最適な玄関仕様を選んでください。
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