本記事では、二級建築士試験対策の法規分野から「採光」について解説します 。建築基準法 第28条・施行令第20条に基づき、居室の採光・有効面積の算定方法を理解しましょう 。
「居室」には光が必要!
原則として、住宅、学校、病院などの「居室」には、採光のための窓(開口部)を設けなければなりません 。
■ 必要な面積の割合
- 住宅の居室:床面積の 1/7以上
- 学校、病院、保育所等:床面積の 1/5~1/10以上(種類による)
■ ポイント
- ふすまや障子などで仕切られた2室は、採光・換気については「1室」とみなすことができます 。
- 「窓の面積」がそのまま有効になるわけではありません 。
採光有効面積の計算
窓が大きくても、隣の建物が近かったり、影になったりすると「有効な光」は減ってしまいます。それを調整するのが「採光補正係数」です 。
【計算式】
採光有効面積 = 開口部の面積 × 採光補正係数
■採光関係比率(D/H)を計算する
まずは「採光関係比率」を求めます 。
- D(水平距離):窓から隣地境界線などまでの距離
- H(垂直距離):窓の中心から、直上にある建物等の部分までの高さ
- 採光関係比率 = D / H

■用途地域別の計算式
算出された D/H を使い、以下の式で係数を求めます 。
- 住居系地域:(D/H × 6.0) – 1.4
- 工業系地域:(D/H × 8.0) – 1.0
- 商業系・無指定:(D/H ×10.0) – 1.0
例題: 第一種住居地域で、D=2m, H=4mの場合
答: 2 / 4×6.0 – 1.4 = 1.6。部屋が30㎡で窓面積が4㎡なら:4 ×1.6 = 6.4
30 / 7 = 4.28 なので、採光OK!
採光補正係数の「限界」と「特例」
計算値がそのまま使えないケースがあるため注意が必要です 。
- 最大値:採光補正係数は 3.0 が上限です 。
- 最小値(道に面する場合):計算結果が1.0未満でも 1.0 とします 。
- 最小値(道に面しない場合):住居系で距離Dが7m以上なら1.0。短い場合は0になることもあります 。
- 天窓(トップライト):係数を 3倍 にできます(非常に有利です) 。
- 縁側(ぬれ縁を除く):90cm以上の縁側がある場合は 0.7倍 します 。

隣地が特殊な場合の緩和(水平距離Dの考え方)
- 公園・広場・川など:境界線はその 幅の1/2 だけ外側にあるものとみなせます(Dが広くなり、有利になります) 。
- 道に面する場合:境界線は 道の反対側の境界線 とします 。
まとめ
- 住宅の居室は床面積の 1/7以上 の採光有効面積が必要 。
- 有効面積 = 窓面積 × 採光補正係数 。
- 補正係数の式は 地域(住居・工業・商業) で変わる 。
- 天窓は3倍、縁側は0.7倍、最大値は3.0 。

コメント