建築実務や試験において避けて通れない「積算」。今回は、価格の構成から各種数量の考え方、具体的な計算ルールまで、一級建築士試験で頻出のポイントを分かりやすく解説します。
工事価格の構成
まずは、建築工事におけるお金の流れを理解しましょう。
- 工事費 = 工事価格 + 消費税相当額
- 工事価格 = 工事原価 + 一般管理費
- 工事原価 = 純工事費 + 現場管理費
- 純工事費 = 直接工事費 + 共通仮設費
【重要用語】
- 諸経費:一般管理費 + 現場管理費
- 共通費:共通仮設費 + 諸経費
- 直接工事費:材料費、施工費など。やり方や足場代もここに含まれます(直接仮設費として)。
数量の種類と定義
積算で使われる「数量」には、その性質によって3つの呼び方があります。
- 設計数量:設計図書に基づいた正味の数量。切り無駄や割増を含みません。
- 所要数量:設計数量に、切り無駄や施工上の損耗(割増し分)を加えた数量。
- 計画数量:施工計画に基づいた数量。土工や仮設足場などに用いられます。
■対象別の数量の考え方
- 設計数量とするもの:コンクリート量、左官・塗装の仕上げ面積、鉄筋・鉄骨の加工組立数量など。
- 所要数量とするもの:木材、鉄骨、鉄筋など。
- 計画数量とするもの:土工、仮設足場、設計図に明示のない材木の施工数量など。
割増率のポイント(暗記必須)
所要数量を求める際の割増率は、試験でもよく問われます。
- 鉄筋:一般 4%(地中連続壁や杭用は 3%)
- 鉄骨:形鋼・鋼管 5%、厚板・切り板 3%
- ボルト類:4%(※アンカーボルトは割増なし!)
コンクリート・型枠の計算ルール
細かい控除(差し引き)のルールが重要です。
- 欠如(控除)しないもの:
- RC造のコンクリート中の鉄筋体積
- 0.5㎡以下の開口部(コンクリート、型枠、鉄筋すべて)
- SRC造の場合:鉄骨の体積は、7.85トン = 1㎥ として換算し、コンクリート量から差し引きます。
- 上面型枠が必要な場合:
- 3/10を超える勾配のスラブ上面
- 階段の踏み面など。
鉄筋・鉄骨の算出方法
鉄筋の継手:各階の柱主筋は、各階ごとに1箇所あるものとします。
フープ・スターラップ:コンクリート断面の設計寸法による「周長」とし、フックは計算に入れません。
鉄筋の本数算出: (部分の長さ ÷ 間隔) の小数点以下を切り上げ + 1
土工(根切り・土量)
作業上のゆとり幅:標準は0.5m(土間や犬走りは0.1m)。根切りの深さに関わらず一律です。
土量の計算:土工事の積算では、締め固めによる体積変化や杭による減少は「ないもの」として計算します。
↓参考動画です。

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